過払い金請求の仕組み、本当に得なのかどうか

過払い金請求の仕組みと返還のメリット・デメリットについて

最近は過払い金という言葉の解釈が都合のいい方向に変えられている事が多々あります。
過払い金というのはその文字通り「払い過ぎたお金」です。
借金返還でいうのであれば、もう完済しているのに多めに返した分が返ってくるという意味なのです。

 

ただ人間というのは不思議なもので、テレビCMが過払い金について伝えるときは必ずこう言います。

 

【あなたのお金が、戻ってくるかもしれません!】

 

借金で追い詰められた人の頭の中では、この「かもしれません」という言葉を無意識に弾いてしまう方もいます。
過払い金請求さえすれば、借金が無くなるどころかお金が貰えるんだと考えてしまうのです。
極端だと思われるかもしれませんが、意外に多いのです。

 

勿論テレビCMが誘導している部分もあります。
過払い金は司法書士や弁護士にとっては美味しい仕事なので、潜在的な顧客を見つけたいという思いが強いのです。

 

過払い金請求の仕組みは、法定金利を超えた分の返済は元金を減らす方に回るという前提から始まります。

 

10万円未満 年率20%
10万円〜100万円まで 年率18%
100万円以上 年率15%

 

つまり、100万円借りて貸金業者に25%の利息を払っていた場合、法律上は7%分は元金の返済扱いになるという事です。
これが続くと、利息を払うだけで何とか長年凌いでいたけれど、実は返済はとっくに終わっていたという事態になる事があります。
また、完済とまでは行かなくても法金利と照らし合わせると、既に借金は半分以下になっていたという事もあります。

 

ここで勘違いしがちなのは、大目に払った利息=戻ってくる過払い金ではありません。
それは単に元金返済に回っているだけなので、戻ってはきません。
あくまで、既に借金は払い終わっていて余分に払った分を戻してもらうのが過払い金請求です。
別に借りた側が得している訳ではなく、取られ過ぎた分を法的に専門家が取り返してくれるというシステムなのです。

 

過払い金請求で戻ってくるのはどんなケース

 

大雑把な結論をいうと、貸金法改正前に借金をして返し続けている人になります。
というのも、今はグレーゾーン金利と過払い金請求の知名度があまりに上がってしまった為、殆どの消費者金融は法定金利内で利息を取っています。

 

特にテレビCMで紹介されているような大手は確実に法定金利内なので、過払い金自体が発生しません。
あるとすれば、大昔から利息の返済を続けていた方に可能性がありますが、今の大手がそれを黙ったままという事は考えにくく、完済した時点でもう取られないか、利息そのものがある時期を境に変わっているはずです。

 

過払い金が発生するパターンは大体3つです。

 

・法定金利以上で払い続けていて、既に借金が終わっている

 

・法改正時に利息が変更され、それに伴って過払い金の分だけ借金が減っている

 

・利息以外の手数料や紹介料を取られている

 

 

所謂自身の元にお金が残るパターンは、借金が終わっているパターンのみです。
加えて過払い金自体は司法書士や弁護士に頼むので、戻ってきた過払い金が少額の場合は依頼料で消えてしまう可能性もあります。

 

過払い金が発生していて、払い過ぎた分を元金返済としても尚借金が残っている場合は、手元にはお金は残りません。
借金残高が減っているという事実が明らかになるだけです。
既に法改正からはかなり時間が経っているので、今過払い金の相談をすると大体こちらのパターンになります。

 

最後のパターンは2通りです。
不動産担保ローン等で手数料や契約料を払っている場合、実は借金返済分にカウントされています。
ただし多く貰ったまま黙っているという事は早々無いので、基本的に手元に戻ってくるという事はほぼありません。

 

もう一つは、そもそも過払い金以前に違法業者(闇金)だというパターンです。
この場合、借金を返済する義務がないので、直ちに専門家に相談しましょう。
法的手続きを取ることによって、取り立てもストップします。

 

ただし既に払ったお金は戻ってはきません。
あくまで過払い金制度は法律での話なので、範囲外になれば良くも悪くも無効です。
明らかに法外な利息を平気で言ってくるような業者はまず疑いましょう。
全てとは言いませんが、闇金の確率は非常に高いです。

 

過払い金返還のメリットデメリットとは

 

メリットは言うまでもなく、お金が戻ってくるという一点です。
その額次第では、ちょっとした臨時収入という事もあり得ます。
過払い金があると判断された時点で、借金はその分確実に減ります。
自分の手元に残る金額でなければ意味がないと思う方もいるかもしませんが、過払い金があるなら請求すべきです。

 

というのも、正直過払い金返還のデメリットというのは直接的にはありません。
あえて言うなら専門家に払う依頼料が掛かる上に、手続きが長引く傾向があるので面倒だという点があります。
しかしそもそも相談しなければ過払い金があるかどうかも判断し辛いですし、手続きが面倒だからと言って終わっているかもしれない借金を払い続けるというのもおかしな話です。

 

過払い金請求がまだ世の中に知られていない時は、ブラックリスト入りという事もありました。
つまり次回借りる時にもう融資しないという判断がされるという事ですが、そもそも過払い金が戻ってくるという事は必要以上に多めに取られていたという事です。
そんな業者にもう一度借りに行くかと考えると、正直疑問です。

 

そんな営業ができたのも、貸金業者が儲かっていた時代の話です。
今となっては、過払い金請求どころか自己破産(債務整理)をしても融資する中堅消費者金融もあります。
そんな事でお客を逃してしまう余裕は、今の貸金業者にはありません。

 

間接的なデメリットとしては、家族や友人に借金がバレるという事です。
厳密に言うと過払い金は関係ないのですが、普段と違う行動(弁護士事務所の出入り)でバレるという事もあります。
離婚相談やトラブルに巻き込まれているのかと思われる事もありますので、正直に告げましょう。
特に過払い金が戻ってくるとなった場合、特に隠さなくても借金自体は終わっているのでそう焦る事もない筈です。